このノートでは、とりあえず双対定理の解説を目標として位相幾何学の基本的なことをざっとまとめていきたいと思います。まだまだ完成は遠いです。
可換環論の復習(環の定義とかからはしませんが…)とhomology代数からの準備をします。主な目的は、第2章以降で調べる特異(co)homology群などを扱う上で必要な代数的な枠組みを整備すること、また、代数的な議論で済ませられる部分をあらかじめ済ませておくことにあります。内容としては、チェイン複体や(co)homology群の導入、homology完全系列、torsion、extension、普遍係数定理、チェイン複体に対する極限操作(帰納極限・射影極限)です。
あと、homotogy代数を一般的に深く整備しようというよりは、ここで使うこと最低限をそろえようという感じで書いているのであまりまとまりは無いかもしれません。
位相空間に対して特異チェイン複体を導入し、そのhomology群を調べます。切除定理やEilenberg-Zilberの定理といったhomology群の計算に便利な事実を説明しカップ積などの演算を導入するところまで書いてます。CW複体と胞体チェイン複体についてもいくらかは書いていますが、単体複体とかまで触れられておらず中途半端な状態です。
現状はhomotopy群や基本亜群の導入と被覆空間の一般論をまとめているくらいです。
局所系係数での特異homology群の導入からPoincaré-Lefschetzの双対定理まで書きました。
spectral系列については追加したいです。
胞体チェイン複体についてはそのhomology群が特異homology群に自然に同型になることしか書けていないのでもうちょっと書き足したいところ。加えて単体複体について書ければ大体OKという感じですが、こちらは優先度低めに見ているのでしばらく放置かもしれないです。
現状は基本亜群や局所系に関係するところだけ優先的に書いているという状態。ファイバー空間の話、Hurewiztの定理とか、応用上重要な事実はざっとまとめる予定です。
双対定理の応用として交差理論の紹介をしたいと思っています。
その後は特性類と分類空間あたりのことをまとめていく予定ではありますが、かなり先になると思います。
参考文献は各ページに挙げていきますが、全体通じて大きく参照することになるテキストはここでも挙げます。