いくつか $($$1$ つでもよい$)$ のベクトル束が与えられた状況において、そこから新たなベクトル束を構成する手続きについてまとめます。底空間が共通している場合にもっとも基本的な操作はファイバーごとに直和・テンソル積・双対を取ることで、ベクトル束の直和・テンソル積・双対というのも結局それだけのことなのですが、一応は位相的な部分も考慮した構成が必要です。ここでは主に変換関数 $($9.1.1.2節と9.1.2.2節$)$ を経由する形で整備します。係数体は実数体でも複素数体でも同じなので、主に実ベクトル束について考えることにします。
また、ここでの記号として、ベクトル束 $\pi : E\to B$ の点 $x\in B$ 上のファイバー $E_{x}$ の点 $u$ をどのファイバーに属しているか強調する意味で $(x, u)$ とも表すことにします。
同じ底空間を持つ $2$ つのベクトル束 $\pi_{1} : E_{1}\to B$, $\pi_{2} : E_{2}\to B$ が与えられたとして、それらの直和を以下の手順で構成します。ただし、それぞれの階数は $n_{1}, n_{2}$ とします。
このようにして得られるベクトル束 $\pi_{1}\oplus \pi_{2} : E_{1}\oplus E_{2}\to B$ を $E_{1}$ と $E_{2}$ の直和、もしくはWhiteny和といいます。
この構成が開被覆や局所自明化の取り方によらないことを示しておきます。
この構成は $B$ の開被覆や局所自明化の取り方にはよらず、同型の違いを除いて一意にベクトル束を定める。(このあとで示す直和の普遍性から分かることではありますが、愚直な方法で示しておきます。)
各 $E_{k}$ に局所自明化の族 $\{(U_{\lambda}, \varphi_{\lambda}^{k})\}_{\lambda\in\Lambda}$ が与えられたとして、これより定まる変換関数の族を $\{g_{\mu\lambda}^{k}\}_{\lambda, \mu\in\Lambda}$、直和を $E_{\Lambda}$ で表すとします。また、$E_{1}$ の局所自明化 $\psi^{1}$ と $E_{2}$ の局所自明化 $\psi^{2}$ の対 $\psi := (\psi^{1}, \psi^{2})$ であって底空間成分が一致するようなもの全体からなる集合を $\varPsi$ とおき、各 $E_{k}$ に局所自明化の族 $\{(V_{\psi}, \psi^{k})\}_{\psi\in \varPsi}$ を考え、これより定まる変換関数の族を $\{h_{\omega\psi}^{k}\}_{\psi, \omega\in\varPsi}$、直和を $E_{\varPsi}$ で表すとします。
$E_{\Lambda}, E_{\varPsi}$ を構成する際の直和空間の間の写像\[P : \bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times \R^{n_{1} + n_{2}}\to \bigsqcup_{\psi\in\varPsi} V_{\psi}\times \R^{n_{1} + n_{2}} : (x, u, \lambda)\mapsto (x, u, (\varphi_{\lambda}^{1}, \varphi_{\lambda}^{2}))\]が束同型 $Q : E_{\Lambda}\to E_{\varPsi}$ を誘導します。
実際、連続写像 $Q : E_{\Lambda}\to E_{\varPsi}$ が誘導されることは各 $\lambda, \mu\in \Lambda$ に対して\[g_{\mu\lambda}^{1}\oplus g_{\mu\lambda}^{2} = h_{(\varphi_{\mu}^{1}, \varphi_{\mu}^{2})(\varphi_{\lambda}^{1}, \varphi_{\lambda}^{2})}^{1}\oplus h_{(\varphi_{\mu}^{1}, \varphi_{\mu}^{2})(\varphi_{\lambda}^{1}, \varphi_{\lambda}^{2})}^{2}\]であること添字が複雑ですが、構成を見れば $h_{(\varphi_{\mu}^{1}, \varphi_{\mu}^{2})(\varphi_{\lambda}^{1}, \varphi_{\lambda}^{2})}^{k}$ は局所自明化 $(U_{\lambda}, \varphi_{\lambda}^{k})$ と $(U_{\mu}, \varphi_{\mu}^{k})$ から定まる変換関数であり、これは $g_{\mu\lambda}^{k}$ そのものです。と同値関係の定め方からよく、全単射であることはファイバーごとに線型同型を与えていること分かります。同相性は各直和空間から $E_{\Lambda}, E_{\varPsi}$ への商写像および $P$ の局所同相性からただちに従います。
また、各 $E_{k}$ から直和 $E_{1}\oplus E_{2}$ への束準同型 $i_{k} : E_{k}\to E_{1}\oplus E_{2}$ が連続写像\[\bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times \R^{n_{1}}\to \bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times (\R^{n_{1}}\oplus \R^{n_{2}}) : (x, u_{1}, \lambda)\mapsto (x, u_{1}, 0, \lambda),\]\[\bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times \R^{n_{2}}\to \bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times (\R^{n_{1}}\oplus \R^{n_{2}}) : (x, u_{2}, \lambda)\mapsto (x, 0, u_{2}, \lambda)\]による誘導写像として定まり、これによって各 $E_{k}$ は自然に直和 $E_{1}\oplus E_{2}$ に埋め込まれていると考えるられます。これはファイバーごとの直和分解\[(E_{1}\oplus E_{2})_{x}\cong (E_{1})_{x}\oplus (E_{2})_{x}\]を与えており、実際にベクトル束の直和はファイバーごとに直和を取ったものと考えることができます。
そして、組 $(E_{1}\oplus E_{2}, i_{1}, i_{2})$ は線型空間の直和と同様の普遍性を持ちます。
上記の組 $(E_{1}\oplus E_{2}, i_{1}, i_{2})$ に対して次が成立する。
線型空間の直和の普遍性からファイバーごとに $\tilde{f}$ を構成することができ、明らかに $f_{k} = \tilde{f}\circ i_{k} \ (k = 1, 2)$ を満たしています。連続性も局所自明化を取って各成分の連続性を見れば分かり、束準同型です。一意性はファイバーごとの一意性から従います。
線型空間の場合と同じく、次の自然な同型が存在します。
$E, E_{k}$ は $B$ 上のベクトル束とする。次の自然な同型が存在する。
ベクトル束 $\pi_{k} : E_{k}\to B_{k}$ が与えられたとき、直積 $\pi_{1}\times \pi_{2} : E_{1}\times E_{2}\to B_{1}\times B_{2}$ は階数 $n_{1} + n_{2}$ のベクトル束になり、これをベクトル束 $E_{1}$ と $E_{2}$ の直積といいます。$E_{1}, E_{2}$ をそれぞれ変換関数 $g_{\mu\lambda}^{1} : U_{\lambda\mu}\to GL(n_{1}; \R)$, $g_{\xi\nu}^{2} : V_{\nu\xi}\to GL(n_{2}; \R)$ たちにより表せば、直積 $E_{1}\times E_{2}$ は $B_{1}\times B_{2}$ の開被覆 $\{U_{\lambda}\times V_{\nu}\}_{\lambda\in \Lambda, \nu\in N}$ に関する変換関数\[U_{\lambda\mu}\times V_{\nu\xi}\to GL(n_{1} + n_{2}) : (x, y)\mapsto g_{\mu\lambda}^{1}(x)\oplus g_{\xi\nu}^{2}(y)\]たちにより構成されるベクトル束になっています。
底空間がともに $B$ であるとき、直和 $E_{1}\oplus E_{2}$ が直積 $E_{1}\times E_{2}$ の対角線集合 $\Delta_{B}$ への制限 $(E_{1}\times E_{2})|_{\Delta_{B}}$ に自然に同型であることが変換関数を比べることでただちに確かめられます。
直和の場合と全く同様にして、連続な準同型\[GL(n_{1}; \R)\times GL(n_{2}; \R)\to GL(n_{1}n_{2}; \R) : (A, B)\mapsto A\otimes B\]から変換関数の族 $\{g_{\mu\lambda}^{1}\otimes g_{\mu\lambda}^{2}\}_{\lambda,\mu\in\Lambda}$ を考えることでベクトル束のテンソル積 $\pi_{1}\otimes \pi_{2} : E_{1}\otimes E_{2}\to B$ が構成されます。連続写像\[\bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times (\R^{n_{1}}\times \R^{n_{2}})\to \bigsqcup_{\lambda\in\Lambda}U_{\lambda}\times (\R^{n_{1}}\otimes \R^{n_{2}}) : (x, v_{1}, v_{2}, \lambda)\mapsto (x, v_{1}\otimes v_{2}, \lambda)\]はファイバー束の束写像 $\varphi : E_{1}\oplus E_{2}\to E_{1}\otimes E_{2}$ を誘導し、その定めるファイバーごとの双線型写像\[\varphi_{x} : (E_{1})_{x}\times (E_{2})_{x}\to (E_{1}\otimes E_{2})_{x}\]から代数的なテンソル積との同一視\[(E_{1}\otimes E_{2})_{x}\cong (E_{1})_{x}\otimes (E_{2})_{x}\]が得られます。
そして、対 $(E_{1}\otimes E_{2}, \varphi)$ は線型空間のテンソル積と同様の普遍性を持ちます。
上記の対 $(E_{1}\otimes E_{2}, \varphi)$ に対して次が成立する。
線型空間のテンソル積の普遍性からファイバーごとに $\tilde{f}$ を構成することができ、明らかに $f = \tilde{f}\circ\varphi$ を満たしています。連続性も局所自明化を取って各成分の連続性を見れば分かり、束準同型です。一意性はファイバーごとの一意性から従います。
次は明らかでしょう。
ベクトル束 $E_{1}, E_{2}, E'_{1}, E'_{2}$ と束準同型 $f_{k} : E_{k}\to E'_{k} \ (k = 1, 2)$ を考える。このとき、自然な束準同型 $f_{1}\otimes f_{2} : E_{1}\otimes E_{2}\to E'_{1}\otimes E'_{2}$ がファイバーごとに\[(E_{1}\otimes E_{2})_{x}\to (E'_{1}\otimes E'_{2})_{x} : u_{1}\otimes u_{2}\mapsto f_{1}(u_{1})\otimes f_{2}(u_{2})\]とすることで定まる。
線型空間の場合と同じく、次の自然な同型が存在します。
$E, E_{k}$ は $B$ 上のベクトル束とする。次の自然な同型が存在する。
一般に線型同型 $f : V\to W$ は対称積の間の同型 $\mathcal{S}^{k}f : S^{k}V\to S^{k}W$ を誘導し、連続な準同型\[\mathcal{S}_{k} : GL(n; \R)\to GL(S^{k}(\R^{n})) : A\mapsto \mathcal{S}_{k}A\]を与えます。ベクトル束 $\pi : E\to B$ に対してこの準同型を用いて定まるベクトル束を対称積といい $\mathcal{S}^{k}E$ で表すことにします。
同様に、外積について定まる連続な準同型\[\mathcal{A}_{k} : GL(n; \R)\to GL(A^{k}(\R^{n})) : A\mapsto \mathcal{A}_{k}A\]を用いて定まるベクトル束を外積といい $\mathcal{A}^{k}E$ や $\bigwedge^{k}E$ で表すことにします。
また、これらは $E^{\otimes k}$ の部分束として実現されます $($系9.2.25$)$。
実ベクトル束 $\pi : E\to B$ に対してテンソル積 $E\otimes_{\R}\underline{\C}_{B}$ にはファイバーごと複素構造が入り複素ベクトル束になります。これは直和 $E\oplus E$ にファイバーごと $(x + y\sqrt{-1})(u, v) := (xu - yv, yu + xv)$ という演算を定めたものとも考えられます。また、もとのベクトル束から作った各変換関数の終域を明らかな包含写像 $GL(n; \R)\to GL(n; \C)$ との合成により取り換えて再構成した複素ベクトル束とも思えます。
複素ベクトル束 $\pi : E\to B$ に対してファイバーごと新たな演算 $* : \C\times E_{x} \to E_{x}$ を $z * v = \overline{z}\cdot v$ により定めることで新たに複素ベクトル束 $\overline{\pi} : \overline{E}\to B$ が得られ、これを $E$ の共役束といいます。
実ベクトル束 $\pi : E\to B$ に対しては常に複素ベクトル束としての束同型 $\overline{E\otimes_{\R} \underline{\C}_{B}}\cong E\otimes_{\R} \underline{\C}_{B}$ が成立します。
切断の空間の代数的な直和・テンソル積との関係について以下のことが成り立ちます。
ベクトル束 $\pi_{k} : E_{k}\to B \ (k = 1, 2)$ が与えられているとし、$i_{k} : E_{k}\to E_{1}\oplus E_{2}$ を自然な埋め込みとする。写像\[\Gamma(E_{1})\oplus \Gamma(E_{2})\to \Gamma(E_{1}\oplus E_{2}) : (s_{1}, s_{2})\mapsto s_{1}\oplus s_{2} := i_{1}\circ s_{1} + i_{2}\circ s_{2}\]は $C(B)$ 加群の同型である。
明らかです。
ベクトル束 $\pi_{k} : E_{k}\to B \ (k = 1, 2)$ が与えられているとする。写像\[\Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} \Gamma(E_{2})\to \Gamma(E_{1}\otimes E_{2}) : s_{1}\otimes_{C(B)} s_{2}\mapsto s_{1}\otimes s_{2} := (x\mapsto s_{1}(x)\otimes s_{2}(x))\]は $C(B)$ 加群の準同型である。もし $E_{1}, E_{2}$ のいずれかに適当なベクトル束を直和することで自明束にできるならばこの準同型は同型である。
あるベクトル束 $\pi_{3} : E_{3}\to B$ が存在して直和 $E_{2}\oplus E_{3}$ が自明束であったとします。同型 $\underline{\R}_{B}^{m}\cong E_{2}\oplus E_{3}$ を固定するとして\begin{eqnarray*}\Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} \Gamma(E_{2})\oplus \Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} \Gamma(E_{3}) & \cong & \Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} (\Gamma(E_{2})\oplus \Gamma(E_{3})) \\& \cong & \Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} \Gamma(E_{2}\oplus E_{3}) \\& \cong & \Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)} \Gamma(\underline{\R}_{B}^{m}) \\& \cong & \Gamma(E_{1})\otimes_{C(B)}C(B)^{m} \\& \cong & \Gamma(E_{1})^{m} \\& \cong & \Gamma(E_{1}\otimes \underline{\R}_{B}^{m}) \\& \cong & \Gamma(E_{1}\otimes (E_{2}\oplus E_{3})) \\& \cong & \Gamma(E_{1}\otimes E_{2}\oplus E_{1}\otimes E_{3}) \\& \cong & \Gamma(E_{1}\otimes E_{2})\oplus \Gamma(E_{1}\otimes E_{3})\end{eqnarray*}から主張の同型が分かります。
命題9.2.12の準同型は一般には同型とは限りません。$S^{1}$ の部分集合 $U_{x, +}, U_{x, -}, U_{y, +}, U_{y, -}$ を\[U_{x, \pm} := \{(x, y)\in S^{-1}\mid \pm x > 0\},\]\[U_{y, \pm} := \{(x, y)\in S^{-1}\mid \pm y > 0\}\]により定め、$S^{1}$ にこれら $4$ つの集合で生成する位相を与えることにします。この $S^{1}$ 上の実直線束 $L_{-}$ を $U_{x, +}\times \R, \dots, U_{y, -}\times \R$ たちを $($底空間成分が一致するファイバーどうし$)$ 貼り合わせて構成するとして、貼り合わせ方は $U_{y, -}\times \R$ と $U_{x, +}\times \R$ の間ではファイバーごとの $-1$ 倍写像、それ以外は恒等写像により定めるとします。
$L_{-}\otimes L_{-}\cong \underline{\R}_{S^{1}}$ より\[\Gamma(L_{-}\otimes L_{-})\cong \Gamma(\underline{\R}_{S^{1}})\cong \R\]であり、$\Gamma(L_{-}) = 0$ より位相を詳しく調べれば $U_{x, +}$ たちから $\R$ への連続写像は定値写像に限ることが分かります。このことに注意して $L_{-}$ の構成を見れば切断 $s$ は $s = -s$ を満たさねばならず $s = 0$ に限ることが従います。\[\Gamma(L_{-})\otimes_{C(S^{1})} \Gamma(L_{-}) = 0\]です。
階数 $n$ のベクトル束 $\pi : E\to B$ が与えられたとします。適当な局所自明化の族から変換関数の族 $\{g_{\mu\lambda}\}_{\lambda, \mu\in\Lambda}$ を構成し、それらと自己同型\[GL(n; \R)\to GL(n; \R) : A\mapsto (A^{T})^{-1}\]の合成より定まる新たな変換関数から構成されるベクトル束を双対束 $($dual bundle$)$ といい、$E^{*}$ で表します少し線型代数の復習。$n$ 次元線型空間 $V, W$ が与えられていたとします。$V, W$ に基底を固定すればそれぞれの双対空間 $V^{*}, W^{*}$ に双対基底が定まりました。線型写像 $f : V\to W$ がこれら基底に関する行列表示 $A$ を持つとすると、双対写像 $f^{*} : W^{*}\to V^{*}$ の行列表示は $A^{T}$ です。$f$ が同型なら $f^{*}$ も同型であり、$(f^{*})^{-1} : V^{*}\to W^{*}$ の行列表示は $(A^{T})^{-1}$ です。。また、ベクトル束 $E_{1}, E_{2}$ に対して\[\Hom(E_{1}, E_{2}) := E_{1}^{*}\otimes E_{2}\]と定め、これを $\Hom$ 束といいます。さらに、$\End(E) := \Hom(E, E) = E^{*}\otimes E$ と定めておきます。
Euclid空間の通常の内積 $\langle \cdot, \cdot\rangle : \R^{n}\times\R^{n}\to \R$ が $\langle u, v\rangle = u^{T}v$ で表されますが、任意の $n$ 次正則行列 $A$ に対して $((A^{T})^{-1}u)^{T}Av = u^{T}A^{-1}Av = u^{T}v$ が成立することから標準的に束準同型\[C : E^{*}\times E\to \underline{\R}_{B}\]が誘導されます。これはファイバーごとに非退化双線型写像\[E_{x}^{*}\times E_{x}\to \R : (u, v)\mapsto C_{x}(u\otimes v)\]を定め、よって、同型\[E_{x}^{*}\cong \Hom(E_{x}, \R)\]を誘導し、この同型による同一視のもとで $E^{*}$ の各ファーバー $E_{x}^{*}$ が $E_{x}$ の双対空間として意味を持つことになります。
ベクトル束 $E, F\to B$ に対して束準同型 $C\otimes \Id_{F} : (E^{*}\otimes E)\otimes F\to \underline{\R}_{B}\otimes F\cong F$ が得られますが、これを縮約 $($contraction$)$ といいます。
線型空間の場合と同じく、次の自然な束同型が存在します。
$E, E_{k}$ は $B$ 上のベクトル束とする。次の自然な束同型が存在する。
同一の位相空間 $B$ を底空間とするベクトル束 $E$ からベクトル束 $F$ への束準同型全体からなる $C(B)$ 加群を $\HOM(E, F)$ により表すとします。一般の線型空間についての自然な同型 $V^{*}\otimes W\cong \Hom(V, W)$ を思い出すと、$\Hom$ 束 $\Hom(E, F)$ の切断 $s$ はファイバーごとに線型写像\[s(x) : E_{x}\to F_{x} : u\mapsto s(x)(u)\]を与え、束準同型 $f_{s} : E\to F$ を誘導します。逆に、束準同型 $f : E\to F$ は各点ごとに元 $s_{f}(x)\in E_{x}^{*}\otimes F_{x}$ を定め、$\Hom(E, F)$ の切断を与えます。この対応は可逆であり、次が成立します。
ベクトル束 $E, F\to B$ に対して上記対応により $C(B)$ 加群の自然な同型\[\Gamma(\Hom(E, F))\to \HOM(E, F)\]が定まる。よって、$C(B)$ 加群の自然な同型\[\HOM(E, F)\cong \HOM(F^{*}, E^{*})\]が存在する。
$1$ つ目の同型について、問題は一方から他方への対応がきちんと連続に定まっていることですが、これは局所自明化を取って成分に書き下すことで容易に分かります。
$2$ つ目の同型は $E^{*}\otimes F$ と $F^{**}\otimes E^{*}$ との自然な同型と $1$ つ目の自然な同型から分かります。
多少の条件は付きますが、次の同型も基本的です。
ベクトル束 $E, F\to B$ が与えられ、底空間 $B$ は完全正則とする。このとき、$C(B)$ 準同型\[\varPhi : \HOM(E, F)\to \Hom_{C(B)}(\Gamma(E), \Gamma(F)) : f\mapsto (s\mapsto f\circ s)\]は同型である。よって、同型\[\Gamma(\Hom(E, F))\cong \Hom_{C(B)}(\Gamma(E), \Gamma(F))\]が成立する。
$\varPhi$ が $C(B)$ 準同型であることは明らか。単射性を示します。$f\neq f'\in \HOM(E, F)$ を取ります。ある $x_{0}\in B$ と $u_{0}\in E_{x_{0}}$ が存在して $f(u_{0})\neq f'(u_{0})$ です。$s(x_{0}) = u_{0}$ となる切断 $s\in \Gamma(E)$ が存在すれば $f\circ s\neq f'\circ s$ より $\varPhi(f)\neq \varPhi(f')$ が従います。$B$ の完全正則性から $x_{0}$ の自明化開近傍 $U$ と連続関数 $h\in C(B)$ であって $h(x_{0}) = 1$ かつ $\supp h\subset U$ を満たすものが取れます。$U$ 上の切断 $s_{U}$ を $s_{U}(x_{0}) = u_{0}$ であるように任意に取り、大域的な切断 $s\in \Gamma(E)$ を\[s(x) := \left\{\begin{array}{ll}h(x)s_{U}(x) & (x\in U) \\0 & (x\notin U)\end{array}\right.\]により定めればよいです。
全射性を示します。$\psi\in \Hom_{C(B)}(\Gamma(E), \Gamma(F))$ を取り、$\psi = \varPhi(f)$ となる束準同型 $f : E\to F$ を構成します。
各 $x\in B$ と $u\in E_{x}$ に対して $s_{x, u}(x) = u$ となる切断 $s_{x, u}\in \Gamma(E)$ を取り単射性の議論と同様。、写像 $f : E\to F$ を $f(x, u) := \psi(s_{x, u})(x)$ と定めます。この写像が束準同型になっていることを確かめます。点 $x_{0}\in B$ を取り、その自明化開近傍 $U$ と $U$ 上の局所枠 $e_{1}, \dots, e_{n}$ を取ります。$x\in U$ と $u\in E_{x}$ に対して $u$ および各 $s_{x, u}$ は\[u = \sum_{k = 1}^{n}u_{k}e_{k}(x), \ s_{x, u} = \sum_{k = 1}^{n}s_{x, u, k}e_{k}\]と表示されるとします。さらに、連続関数 $h\in C(B)$ であって $h(x_{0}) = 1$ かつ $\supp h\subset U$ を満たすものを取ります。$\psi$ が $C(B)$ 準同型であることから\begin{eqnarray*}h(x)^{2}\cdot f(x, u) & = & h(x)^{2}\cdot \psi(s_{x, u})(x) = \psi(h^{2}s_{x, u})(x) = \psi\left(\sum_{k = 1}^{n}h^{2}s_{x, u, k}e_{k}\right)(x) \\& = & \sum_{k = 1}^{n}(hs_{x, u, x})(x)\psi(he_{k})(x) = \sum_{k = 1}^{n}s_{x, u, x}(x)h(x)\psi(he_{k})(x) = \sum_{k = 1}^{n}u_{k}h(x)\psi(he_{k})(x)\end{eqnarray*}であり、$h(x)\neq 0$ となる範囲で\[f(x, u) = \sum_{k = 1}^{n}u_{k}h(x)^{-1}\psi(he_{k})(x)\]という表示を持ちます。これは $f$ の連続性とファイバーごとの線型性を意味し、よって、$f$ は束準同型です。
任意の $s\in \Gamma(E)$ と $x\in B$ に対して\[\varPhi(f)(s)(x) = f(x, s(x)) = \psi(s_{x, s(x)})(x) = \psi(s)(x)\]より $\varPhi(f) = \psi$ であり、$\varPhi$ は全射です。
最後の同型は命題9.2.16から従います。
より一般に次が成立します。
ベクトル束 $E_{1}, \dots, E_{n}, F\to B$ が与えられ、底空間 $B$ は完全正則とする。このとき、$C(B)$ 加群の自然な同型\[\Gamma\left(\Hom\left(\bigotimes_{k = 1}^{n}E_{k}, F\right)\right)\cong \Hom_{C(B)}\left(\bigotimes_{k = 1}^{n}\Gamma(E_{k}), \Gamma(F)\right)\]が存在する。
$n = 1$ の場合は命題9.2.17そのものであり、$n - 1$ までよかったとすると命題9.2.17を用いて\begin{eqnarray*}\Gamma\left(\Hom\left(\bigotimes_{k = 1}^{n}E_{k}, F\right)\right) & \cong & \Gamma\left(\Hom\left(E_{n}, \Hom\left(\bigotimes_{k = 1}^{n - 1}E_{k}, F\right)\right)\right) \\& \cong & \Hom_{C(B)}\left(\Gamma(E_{n}), \Gamma\left(\Hom\left(\bigotimes_{k = 1}^{n - 1}E_{k}, F\right)\right)\right) \\& \cong & \Hom_{C(B)}\left(\Gamma(E_{n}), \Hom_{C(B)}\left(\bigotimes_{k = 1}^{n - 1}\Gamma(E_{k}), \Gamma(F)\right)\right) \\& \cong & \Hom_{C(B)}\left(\bigotimes_{k = 1}^{n}\Gamma(E_{k}), \Gamma(F)\right)\end{eqnarray*}となるので帰納法より一般にも成立します。
$R$ を可換環、$M, N$ を $R$ 加群として、$M$ 上の $N$ 値 $k$ 次 $($多重線型$)$ 形式全体、対象形式全体、交代形式全体からなる $R$ 加群をそれぞれ $L_{R}^{k}(M, N)$, $S_{R}^{k}(M, N)$, $A_{R}^{k}(M, N)$ で表すとして次が成立します。
ベクトル束 $E, F\to B$ が与えられ、底空間 $B$ は完全正則とする。このとき、次の $C(B)$ 加群の同型が成立する。
(1) 系9.2.18そのままです。
(2) 明らかな方法で\[\Gamma(\Hom(S^{k}E, F))\subset \Gamma(\Hom(E^{\otimes k}, F)),\]\[S_{C(B)}^{k}(\Gamma(E), \Gamma(F))\subset L_{C(B)}^{k}(\Gamma(E), \Gamma(F))\]とみなせば容易です。
(3) (2)と同じです。
応用として、微分幾何学の初歩に現れる例を挙げてみます。(可微分なもののみを考えることになるけど同じことです。)
可微分多様体 $M$ の余接束 $T^{*}M := (TM)^{*}$ の $k$ 次外積 $\bigwedge^{k}T^{*}M$ の $C^{\infty}$ 級切断全体からなる $C^{\infty}(M)$ 加群を $\Omega^{k}(M)$ で表し、その元を $k$ 次微分形式といいます。$k$ 次微分形式 $\omega$ は\[\Omega^{k}(M) = \Gamma\left(\bigwedge^{k}T^{*}M\right)\cong A_{C^{\infty}(M)}^{k}(\mathfrak{X}(M), C^{\infty}(M))\]の同一視のもとで $C^{\infty}$ 級ベクトル場全体からなる $C^{\infty}(M)$ 加群 $\mathfrak{X}(M)$ 上の $C^{\infty}(M)$ 値 $k$ 次交代形式と一対一対応します。つまり、$\omega$ は写像 $\mathfrak{X}(M)^{k}\to C^{\infty}(M)$ であって任意の $X_{0}, X_{1}, \dots, X_{k - 1}, Y_{0}\in \mathfrak{X}(M)$, $f, g\in C^{\infty}(M)$, $\sigma\in S_{n}$ に対して
を満たすものと思うことができます。
微分形式に対する重要な作用素として外微分 $d : \Omega^{k}(M)\to \Omega^{k + 1}(M)$ があります。これは微分形式の局所表示を介して定義することもありますが、上記の同一視のもと、各 $\omega\in \Omega^{k}(M)$ に対して具体的に\begin{eqnarray*}d\omega(X_{0}, X_{1}, \dots, X_{k}) & := & \sum_{i = 1}^{k}(-1)^{i}X_{i}(\omega(X_{0}, \dots, \hat{X_{i}}, \dots, X_{k})) \\& + & \sum_{i < j}(-1)^{i + j}\omega([X_{i}, X_{j}], X_{0}, \dots, \hat{X_{i}}, \dots, \hat{X_{j}}, \dots, X_{k})\end{eqnarray*}という表示を持つ $k + 1$ 次交代形式 $d\omega : \mathfrak{X}(M)^{k + 1}\to C^{\infty}(M)$ を対応させる写像として定義することもあります。$d\omega$ が実際に $k + 1$ 次交代形式になっていることの証明は多様体論 命題2.2.10を参照。
与えられたベクトル束 $\pi : E\to B$ に対し、その制限 $\pi|_{F} : F\to B$ であって再びベクトル束になるものを $E$ の部分束 $($subbundle$)$ といいます。
これについていくつか基本的な補題を確かめておきます。
ベクトル束 $E^{n}\to B$ とその部分束 $F^{k}\subset E$ が与えられたとする。各 $x\in B$ に対してその開近傍上の局所自明化 $\varphi : E|_{U}\to U\times \R^{n}$ であって $\varphi(F|_{U}) = U\times \R^{k}\times \{0\}$ を満たすものが存在する。
$x$ の $E, F$ 両方に対する自明化開近傍 $U$ を取り、$F$ に関する $U$ 上の局所枠 $e_{1}, \dots, e_{k}$ を取り、さらに $E$ の $U$ 上の切断 $e_{k + 1}, \dots, e_{n}$ を $e_{1}(x), \dots, e_{n}(x)$ が $E_{x}$ の基底となるように取ります。$U$ を十分小さく取り直せばこの $e_{1}, \dots, e_{n}$ は $E$ の $U$ 上の局所枠になり、対応する局所自明化が欲しかったものになります。
ベクトル束 $E^{n}, F^{k}\to B$ と束準同型 $f : E\to F$ が与えられ、$f$ が各点 $x\in B$ 上のファイバー間に定める線型写像 $f_{x} : F_{x}\to E_{x}$ の階数は一定値 $l$ であるとする。次が成立する。
(1) 点 $x_{0}\in B$ を取り、その周りで $\Img f$ の局所自明化を構成します。$x_{0}$ の $E$ に関する自明化開近傍 $U$ と $U$ 上の局所枠 $e_{1}, \dots, e_{n}$ を取ります。$e'_{r} := f\circ e_{r}$ は $F$ の $U$ 上の切断になりますが、順番を取り換えることで $e'_{1}(x_{0}), \dots, e'_{l}(x_{0})$ が $f(E_{x_{0}})\subset F_{x_{0}}$ の基底になるとしてよいです。ここで $F$ の $U$ 上の切断 $e'_{l + 1}, \dots, e'_{k}$ を $e'_{1}(x_{0}), \dots, e'_{k}(x_{0})$ が $F_{x_{0}}$ の基底となるように取り細かいことですが、$F$ の $U$ 上の切断が取れることは実は保証されておらず、必要であれば $U$ を $F$ の自明化開近傍になるくらいには小さく取り直す必要があります。、必要であれば $U$ を小さく取り直すことで $e'_{1}, \dots, e'_{k}$ は $F$ の $U$ 上の局所枠にできますまたまた細かいことですが、最初から $e'_{1}, \dots, e'_{k}$ が局所枠になるように取れるとは限らず、例えば単位球面 $S^{2}$ 上の階数 $3$ の自明束を取り、$U = S^{2}$ として $e'_{1}$ が球面の外向き単位法ベクトル場として与えられているとすると $e'_{2}, e'_{3}$ を $U$ 上で局所枠になるようには取れません。。
この局所枠に対応する局所自明化 $\varphi : F|_{U}\to U\times \R^{k}$ と埋め込み $\psi : U\times \R^{l}\to U\times \R^{l}\times \R^{k - l} : (x, v)\mapsto (x, v, 0)$ を用いて定まる写像 $\varphi^{-1}\circ \psi : U\times \R^{l}\to F|_{U}$ は $f(E|_{U}) = \Img f\cap F|_{U}$ を像にもつ埋め込みであり、従って、この $\varphi^{-1}\circ \psi$ の $($終域を像に制限した後の$)$ 逆写像が $\Img f$ に対する局所自明化になります。
(2) $F$ を $\Img f$ で取り換えても同じなので最初から $f$ は全射だったとして示せばよいです。点 $x_{0}\in B$ を取り、その周りで $\Ker f$ の局所自明化を構成します。$x_{0}$ の $E$ に関する自明化開近傍 $U$ と $U$ 上の局所枠 $e_{1}, \dots, e_{n}$ を最初の $e_{1}, \dots, e_{k}$ が $\Ker f_{x_{0}}$ の補空間を張るように取ります。必要であれば $U$ を小さく取り直して $f\circ e_{1}, \dots, f\circ e_{k}$ が $F$ の $U$ 上の局所枠を与えるとしてよいです。これらの局所枠によって $E|_{U}\cong U\times \R^{n}$, $F|_{U}\cong U\times \R^{k}$ と同一視するとして、$f$ は連続写像 $A = [a_{ij}]_{1\leq i\leq k, 1\leq j\leq n} : U\to M(k, n; \R)$ を用いて $f(x, v) = (x, A(x)v)$ と表されますが、局所枠の取り方から最初の $k$ 行 $k$ 列は常に単位行列です。埋め込み $g : U\times \R^{n - k}\to U\times \R^{n}$ を\[g(x, y_{k + 1}, \dots, y_{n}) := \left(x, -\sum_{l = k + 1}^{n}a_{1, l}(x)y_{l}, \dots , -\sum_{l = k + 1}^{n}a_{k, l}(x)y_{l}, y_{k + 1}, \dots, y_{n}\right)\]に取れば像は $\Ker f\cap E|_{U}$ に一致しており、これから $\Ker f$ の $U$ 上の局所自明化が得られます。
底空間 $B$ が連結なベクトル束 $\pi : E\to B$ と束準同型 $P : E\to E$ であって $P^{2} = P$ を満たすもの $($射影作用素$)$ が与えられたとする。このとき、$\Img P$ と $\Ker P$ はともに $E$ の部分束であり、直和分解 $E = \Img P\oplus\Ker P$ を与える。
$P_{x}$ は射影なので階数 $\rk P_{x}$ とトレース $\tr P_{x}$ は一致しますトレースは適当な基底に関する行列表示の対角成分の和として $($基底の取り方によらず$)$ 求まりますが、射影作用素については上手く基底を取ることで対角成分に $1$ が階数だけ並び、それ以外の成分が $0$ となるような行列表示が得られます。。各点のトレースを返す関数 $T : B\to \R : x\mapsto \tr P_{x}$ は連続であり、常に整数値を取ることから局所定数関数です。そして、$B$ の連結性より定数関数です。以上により、階数は一定値を取ります。
補題9.2.23より $\Img P$ と $\Ker P$ は部分束であり、各ファイバーごとに直和分解が定まることからベクトル束としての直和分解 $E\cong \Img f\oplus \Ker f$ も得られます。
ベクトル束 $E\to B$ に対し、$E^{\otimes k}$ の各ファイバーに対して対称化作用素を与えることで束準同型 $P : E\to E$ を定める。このとき、$\Img P$ は標準的に $\mathcal{S}^{k}E$ に同型であり、$\mathcal{S}^{k}E$ は $E^{\otimes k}$ の部分束とみなされる。交代化作用素を考えれば同様に $\mathcal{A}^{k}E$ は $E^{\otimes k}$ の部分束とみなされる。
部分束 $F\subset E$ に対して部分束 $F'\subset E$ であってファイバーごとに直和分解 $E_{x} = F_{x}\oplus F'_{x}$ を与えるものを補空間束といいます。これらがベクトル束としての直和分解 $E = F\oplus F'$ を与えることは容易です。補空間束が存在するための必要十分条件として次があります。
ベクトル束 $E\to B$ とその部分束 $F$ に対して次は同値である。
(1) ⇒ (2) 自明です。
(2) ⇒ (1) 補題9.2.23より $\Ker f$ は部分束ですが、各点ごとに直和分解 $F_{x}\oplus \Ker f_{x}$ を与えることからこれが補空間束になります。
一般には部分束に対して補空間束が得られるとは限りません。補足9.2.13の記号を用いて、$S^{1}$ 上の階数 $2$ の実ベクトル束 $E$ を $U_{x, +}\times \R^{2}, \dots, U_{y, -}\times \R^{2}$ たちを貼り合わせて構成するとして、貼り合わせ方は $U_{y, -}\times \R^{2}$ と $U_{x, +}\times \R^{2}$ の間ではファイバーごと行列 $\left[\begin{smallmatrix}1 & 1 \\0 & 1\end{smallmatrix}\right]$ により表される線型同型、それ以外は恒等写像により定めるとします。部分束 $F$ は $U_{x, +}\times \R\times \{0\}, \dots, U_{y, -}\times \R\times \{0\}$ の貼り合わせとして構成します。$F$ の補空間束はもし存在するとすれば各 $V = U_{x, +}, \dots, U_{y, -}$ について $V\times \R^{2}$ における $V\times \R\times \{0\}$ の補空間束を互いに上手く貼り合うように取ることで構成されますが、連続写像 $V\to \R$ が定値写像に限ることからそれは不可能と分かります。
実ベクトル束に対してRiemann計量を導入します。
ベクトル束 $\pi : E\to B$ に対し切断 $g\in\Gamma(E^{*}\otimes E^{*})$ であってファイバーごとに正値対称形式 $g_{x} : E_{x}\times E_{x}\to \R$ を与えるものを $E$ のRiemann計量 $($Riemannian metric$)$ という切断 $g\in \Gamma(E^{*}\otimes E^{*})$ がファイバーごとに双線型形式を与えることは一般の線型空間 $V$ についての自然な同型 $V^{*}\otimes V^{*}\cong V^{*}\otimes \Hom(V, \R)\cong \Hom(V, \Hom(V, \R))$ があることを思い出せばよいです。。
補題としてRiemann計量に適合する局所自明化の存在を確認します。ただし、局所枠であって底空間の各点ごと与えられたRiemann計量に関する正規直交基底を与えるものを正規直交局所枠と呼ぶことにします。
ベクトル束 $\pi : E\to B$ とそのRiemann計量 $g$ が与えられているとする。$E$ の自明化開近傍 $U$ 上には常に正規直交局所枠が存在する。よって、局所自明化 $\varphi : E|_{U}\to U\times \R^{n}$ であってファイバーごとに計量同型を与えるものが存在する。ただし、$\R^{n}$ には標準的な内積を考える。
自明化開近傍 $U$ 上に局所枠 $e_{1}, \dots, e_{n}$ を取り、これに対してGram–Schmidtの正規直交化を実行するだけです。
もう少し詳しくは、まず $U$ 上の切断 $e'_{1}, \dots, e'_{n}$ を
というように帰納的に構成すれば直交局所枠であるので、続いて $U$ 上の切断を $e''_{1}, \dots, e''_{n}$ をそれらの正規化\[e''_{k}(x) := g_{x}(e'_{k}(x), e'_{k}(x))^{-1/2}e'_{k}(x)\]として取ればこれが正規直交局所枠です。
ベクトル束 $\pi : E\to B$ とそのRiemann計量 $g$ が与えられているとする。局所自明化による開被覆 $\{(U_{\lambda}, \varphi_{\lambda})\}_{\lambda\in\Lambda}$ であってそこから定まる変換関数 $g_{\mu\lambda}$ が常に直交群 $O(n)$ に値を取るものが存在する。
補題9.2.29から明らかです。
与えられた部分束に対して補空間束が存在するためにはRiemann計量の存在が十分条件になります。そして、位相多様体やCW複体などの基本的な位相空間上のベクトル束が必ずRiemann計量を持つこと $($命題9.2.32$)$ から大抵の場合に補空間束の存在は保証されることになります。
ベクトル束 $\pi : E\to B$ とその上のRiemann計量 $g$ が与えられているとする。部分束 $F$ に対し、部分空間 $F^{\bot} := \bigsqcup_{x\in B}F_{x}^{\bot}$ は部分束であり、直和分解 $E = F\oplus F^{\bot}$ を与える。この $F^{\bot}$ を $F$ の直交補空間束という。
$\rk E = n$, $\rk F = k$ とします。各 $x\in B$ に対してその周りの正規直交局所枠 $e_{1}, \dots, e_{n}$ であって最初の $e_{1}, \dots, e_{k}$ が各点で $F$ のファイバーを生成するものを構成すればよいです。これは最初に $F$ の局所枠を取り、そこにいくつかの切断を加えて $E$ の局所枠とし、さらにGram–Schmidtの正規直交化を実行すれば得られます。直和分解 $E = F\oplus F^{\bot}$ を与えることは自明です。
底空間 $B$ がパラコンパクトHausdorff空間ならばベクトル束 $\pi : E\to B$ にはRiemann計量が存在する。
$B$ の自明化開集合による開被覆 $\{U_{\lambda}\}_{\lambda\in\Lambda}$ を取り、従属する $1$ の分割 $\{h_{\lambda}\}_{\lambda\in\Lambda}$ を取ります $($定理2.9.17$)$。各 $U_{\lambda}$ 上でRiemann計量 $g_{\lambda}$ を取ります。大域的なRiemann計量が $g := \sum_{\lambda\in\Lambda}h_{\lambda}g_{\lambda}$ により定まります。正値対称形式どうしの和がまた正値対称形式であったことに注意。
ついでに、Riemann計量に関連した事実を示しておきます。
ベクトル束 $E\to B$ とそのRiemann計量 $g$ が与えられたとする。命題9.2.16による自然な同一視 $\Gamma(E^{*}\times E^{*})\cong \Gamma(\Hom(E, E^{*}))\cong \HOM(E, E^{*})$ のもと $g$ を束準同型 $E\to E^{*}$ と思うとこれは束同型である。
各点 $x\in B$ ごと線型写像\[\tilde{g}_{x} : E_{x}\to E_{x}^{*} : v\mapsto g_{x}(v, \cdot)\]が同型であることから分かります。
底空間 $B$ がパラコンパクトHausdorff空間であるベクトル束 $\pi : E\to B$ とそのRiemann計量 $g_{0}, g_{1}$ が与えられているとする。束準同型のhomotopy $H : E\times I\to E$ であって次の条件を満たすものが存在する。
ベクトル束 $\pi\times \Id_{I} : E\times I\to B\times I$ を考え、そのRiemann計量を $E\times \{0\}$ では $g_{0}$ に、$E\times \{1\}$ では $g_{1}$ に一致するように取ります例えば、具体的に $E\times \{t\}$ では $(1 - t)g_{0} + tg_{1}$ であるように取ればよいです。。あとはこの後で考える命題9.2.43の付加構造考慮版 $($補足9.2.45$)$ を適用すればよいです。記号使いが違いますが命題9.2.43で構成する束写像 $\varPsi : E\to E|_{B\times \{0\}}$ がここで構成したかった $H : E\times I\to E$ に対応します。
複素ベクトル束 $E$ についてもファイバーごとのHermite計量を連続に与えることでHermite計量 $h\in \Gamma(E^{*}\otimes \overline{E}^{*})$ が定まりまり、例えば、Riemann計量と同様に以下が成立します。
部分束に対して商を取ることも正当化されます。
$\pi : E\to B$ をベクトル束とし、$F$ をその部分束とする。$E$ 上の同値関係 $\sim$ を\[(x, u)\sim (y, v) :\Leftrightarrow x = y \text{ and } v - u\in F_{x}\]により定める。商空間 $E/F$ からの誘導写像 $\tilde{\pi} : E/F\to B$ はベクトル束になる。これを商束 $($quotient bundle$)$ という。
各点 $x$ の周りの局所自明化 $\varphi : E|_{U}\to U\times \R^{n}$ であって $\varphi(F|_{U}) = U\times \R^{k}\times \{0\}$ となるものを取ります。この局所自明化と射影 $U\times \R^{n}\to U\times \{0\}\times \R^{n - k}$ の合成が誘導する同相写像 $\tilde{\varphi} : (E/F)|_{U}\to U\times \{0\}\times \R^{n - k}$ が $E/F$ の局所自明化を与えます。
$\pi : E\to B$ をベクトル束とし、$F$ をその部分束とする。$F$ の補空間束 $F'$ は存在すれば商束 $E/F$ に束同型である。よって、補空間束は互いに同型である。
射影 $E\to E/F$ の補空間束 $F'$ への制限はファイバーごとに同型を与えるのでベクトル束としての束同型が従います。
一般にファイバー束の引き戻しを標準的な方法で構成します。
$\pi : E\to B$ をファイバー束とし、$f : C\to B$ を連続写像とする。位相空間\[f^{*}E := \{(y, u)\in C\times E \mid f(y) = \pi(u)\}\]からの連続写像\[f^{*}\pi : f^{*}E\to C : (y, u)\mapsto y\]を取る。$E$ の局所自明化 $(U, \varphi)$ に対して連続写像 $f^{*}\varphi : (f^{*}E)|_{f^{-1}(U)}\to f^{-1}(U)\times F$ を合成\[(f^{*}E)|_{f^{-1}(U)}\xrightarrow{\text{incl.}} f^{-1}(U)\times E|_{U}\xrightarrow{\Id_{f^{-1}(U)}\times \varphi} f^{-1}(U)\times U\times F\xrightarrow{\text{proj.}}f^{-1}(U)\times F\]により定めると対 $(f^{-1}(U), f^{*}\varphi)$ は $f^{*}E$ の局所自明化であり、$f^{*}\pi : f^{*}E\to C$ はファイバー束になる。このファイバー束を $E$ の $f$ による引き戻しやpull-back bundleという。
連続写像\[f^{-1}(U)\times F\to f^{-1}(U)\times E|_{U} : (c, v)\mapsto (c, \varphi^{-1}(f(c), v))\]が $f^{*}\varphi$ の逆写像を与えるので $f^{*}\varphi$ は同相写像、従って、$f^{*}E$ の局所自明化です。
$\pi : E\to B$ をファイバー束、$\{(U_{\lambda}, \varphi_{\lambda})\}_{\lambda\in\Lambda}$ を局所自明化による開被覆、$\{g_{\mu\lambda}\}_{\lambda, \mu\in\Lambda}$ をそこから定まる変換関数の族とします。連続写像 $f : C\to B$ による引き戻し $f^{*}E$ は $E$ の局所自明化たちの引き戻しによる開被覆 $\{(f^{-1}(U_{\lambda}), f^{*}\varphi_{\lambda})\}_{\lambda\in\Lambda}$ を持ちますが、これに関する変換関数はそれぞれ $g_{\mu\lambda}\circ f|_{f^{-1}(U_{\lambda\mu})}$ の形で表されます。
ベクトル束に対する引き戻しは明らかにベクトル束になります。そして、基本的性質として次があります。
$\pi_{i} : E_{i}\to B \ (i = 1, 2)$ をベクトル束とし、$f : C\to B$ を連続写像とする。次の自然な同型が存在する。
$E_{1}, E_{2}$ の局所自明化たちから誘導される局所自明化たちの間の変換関数が両者で一致することから分かります。
$\pi : E\to B$ をベクトル束とする。連続写像 $f : C\to B$, $g : D\to C$ に対して\[(g\circ f)^{*}E = g^{*}(f^{*}E)\]が成立する。
$E$ の局所自明化たちから誘導される局所自明化たちの間の変換関数が両者で一致することから分かります。
ベクトル束 $\pi : E\to B$, $\pi' : F\to C$ と連続写像 $f : C\to B$ と $f$ 上の束写像 $\tilde{f} : F\to E$ であってファイバーごとに同型を定めるものが与えられたとする。このとき、連続写像\[(\pi, f) : F\to f^{*}E\subset C\times E : (y, w)\mapsto (y, f(y, w))\]は束同型写像を与える。
ファイバーごとに同型を与える束準同型は束同型でした $($補題9.1.19$)$。
少しの位相的な仮定のもとでファイバー束の引き戻しのhomotopy不変性が確かめられます。
$B$ をパラコンパクトHausdorff空間とし、位相空間 $F$ をファイバーとする $B\times I$ 上のファイバー束 $\pi : E\to B\times I$ が与えられているとする。ある束写像 $\varPsi : E\to E|_{B\times \{0\}}$ であって制限 $\varPsi|_{B\times \{t\}} : E|_{B\times \{t\}}\to E|_{B\times \{0\}}$ が常に $($底空間成分を保つ$)$ 束同型であるものが存在する。特に、束同型 $E|_{B\times \{0\}}\cong E|_{B\times \{1\}}$ が成立する。
次の手順で示します。
(step 1) $\{x\}\times I\subset B\times I$ の各点 $(x, t)$ に対してその開近傍 $V_{x, t}$ 上の局所自明化 $\varphi_{x, t} : E|_{V_{x, t}}\to V_{x, t}\times F$ であって $V_{x, t}$ が $U_{x, t}\times J_{x, t}$ の形で表されるものを取ります。ただし、$U_{x, t}\subset B$ は開集合であり、 $J_{x, t}\subset I$ は区間であって $I$ の開集合とします。いま、区間 $I$ はコンパクトなので有限個の $t_{1}, \dots, t_{k}\in I$ を選んで $\bigcup_{i = 1}^{k}J_{x, t_{i}} = I$ とすることができます。$U_{x} := \bigcap_{i = 1}^{k}U_{x, t_{i}}$ とし、各 $U_{x, t_{i}}$ を $U_{x}$ で置き換えます。
以下、$J_{x, t_{i}}\cap J_{x, t_{j}}\neq \varnothing$ となる $i < j$ に対して $U_{x}\times (J_{x, t_{i}}\cup J_{x, t_{j}})$ 上の局所自明化を構成します区間 $I$ の連結性によりこのような $i, j$ は $k \geq 2$ である限り存在します。。$J_{x, t_{i}} = (a_{i}, b_{i})$, $J_{x, t_{j}} = (a_{j}, b_{j})$, $a_{i} < a_{j} < b_{i} < b_{j}$ として示せばよいです一方が他方を含む場合は明らかなので省略します。また、$I$ の端点では半開区間になりますが、以下の議論ではその区別は問題にならないので簡単のために開区間のみを考えます。任意に $c\in J_{x, t_{i}}\cap J_{x, t_{j}}$ を固定します。$V := U_{x}\times (J_{x, t_{i}}\cup J_{x, t_{j}})$ 上の局所自明化 $\varphi$ が $\pr_{3}$ をファイバー成分への射影として\[\varphi : E|_{V}\to V\times F : (y, t, v)\mapsto\left\{\begin{array}{ll}\varphi_{x, t_{i}}(y, t, v) & (t\in (a_{i}, c]) \\(\varphi_{x, t_{i}}\circ \varphi_{x, t_{j}}^{-1})(y, c, (\pr_{3}\circ \varphi_{x, t_{j}})(y, t, v)) & (t\in [c, b_{j}))\end{array}\right.\]により定まります。
そして、この結合を高々有限開繰り返すことで $U_{x}\times I$ 上の局所自明化 $\varphi_{x}$ が構成されます。
(step 2) (step 1)より各 $y\in B$ ごとにその開近傍 $U_{y}\subset B$ と $U_{y}\times I$ 上の局所自明化 $\varphi_{y}$ を取ります。また、連続関数の族 $\{h_{y} : B\to [0, 1]\}_{y\in B}$ であって次の条件を満たすものを取ります $($命題2.9.18$)$。
ここで $($底空間成分を保たない$)$ 束写像 $\varPhi_{y} : E\to E$ を\[\varPhi_{y}(x, t, v) := \left\{\begin{array}{ll}\varphi_{y}^{-1}(x, (1 - h_{y}(x))t, (\pr_{3}\circ\varphi_{y})(x, t, v)) & (x\in U_{y}) \\(x, t, v) & (\text{otherwise})\end{array}\right.\]により定めます。整列定理 $($定理1.4.11$)$ より $B$ に全順序を与えておき、各 $x\in B$ に対して有限部分集合 $B_{x}\subset B$ を\[B_{x} := \{b\in B\mid x\in\supp h_{b}\}\]により定め、その元を小さい順に $b_{x, 1} < \dots < b_{x, k_{x}}$ とします。いま、$($底空間成分を保たない$)$ 束写像 $\varPsi : E\to E$ を各 $x\in B$ について\[\varPsi|_{\{x\}\times I} := \varPsi_{x} := \varPhi_{b_{x, k_{x}}}|_{\{x\}\times I}\circ\dots\circ\varPhi_{b_{x, 1}}|_{\{x\}\times I} : E|_{\{x\}\times I}\to E|_{\{x\}\times I}\]とすることで定めます。各ファイバーへの制限が同相写像であることは明らかです。また、仮定よりある $b\in B_{x}$ であって $h_{b}(x) = 1$ となるものが存在するので $\varPsi_{x}$ が誘導する底空間の間の写像は\[\{x\}\times I\to \{x\}\times I : (x, t)\mapsto (x, 0)\]です。
この $\varPsi$ が連続であることを示します。点 $x\in B$ を固定し、その開近傍 $U$ を集合\[B_{U} := \{b\in B\mid U\cap\supp h_{b}\neq\emptyset\}\]が有限集合になるように取り、その元を小さい順に $b_{U, 1} < \dots < b_{U, k_{U}}$ とします。このとき、\[\varPsi_{U} = \varPhi_{b_{U, k_{U}}}|_{U\times I}\circ\dots\circ\varPhi_{b_{U, 1}}|_{U\times I} : E|_{U\times I}\to E|_{U\times I}\]は連続であり、各 $y\in U$ に対して $\varPsi_{U}|_{\{y\}\times I} = \varPsi_{y}$ なので$B_{y}\subset B_{U}$ であることと $b\in B_{U}\setminus B_{y}$ に対して $\varPhi_{b}|_{\{y\}\times I}$ が恒等的であることから分かります。、$\varPsi|_{U\times I}$ は連続であることが分かります。よって、$\varPsi$ は連続です。
(step 3) 各 $\varPsi_{U}$ に対して制限 $\varPsi_{U}|_{U\times \{t\}}$ が同相写像であることは容易に分かり、従って、制限 $\varPsi|_{B\times \{t\}}$ も同相写像です。
$\pi : E\to B$ をファイバー束とし、$C$ をパラコンパクトHausdorff空間とする。連続写像 $f : C\to B$ に対して引き戻し $f^{*}E$ の同型類は $f$ のhomotopy類のみで決定される。特に、可縮なパラコンパクトHausdorff空間上のファイバー束は自明である。
命題9.2.43から分かります。
$B$ を位相空間、$C$ をパラコンパクトHausdorff空間、$f : C\to B$ を連続写像とする。引き戻しによる写像\[f^{*} : \Vect_{\K}(B)\to \Vect_{\K}(C) : E\mapsto f^{*}E\]は $f$ のhomotopy類により決まり、直和およびテンソル積それぞれに関する可換モノイドの準同型を与える。また、分配法則も保つ。さらに $B$ がパラコンパクトHausdorff空間かつ $f$ がhomotopy同値写像であれば $f^{*}$ は同型である。
以上です。
底空間を最初からパラコンパクトHausdorff空間にしていいかもしれないけど、たまに一般の場合も気になることがあるしなあ。あと、細かいところでいくつか個人的に考えてる問題があって、解決したら追記していきたいです。
参考文献
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